映画から学ぶ画面構成、「レジェンド/光と闇の伝説」をピックアップ!

こんにちは、VANVANです!
今回のブログでは、映像を制作する上で重要な画面構成について書いていきたいと思います。
画面構成とは…
映像の画面構成は、カメラの視点や構図、要素の配置など、映像の中で画面全体をどのように構成するかを指します。以下に画面構成の要素をいくつか挙げます。
【構図(コンポジション)】
画面内の要素の配置や配列のことで、バランスや視覚的な効果を考慮して決めます。例えば、対称的な構図や斜め構図などがあります。
【フレーミング】
映像内の被写体をどのようにフレーム内に配置するかを決めることです。ポートレートや全景、クローズアップなど、様々なフレーミングがあります。
【カメラアングル】
カメラの位置や角度を指します。例えば、高い位置からの俯瞰ショットや低い位置からのローアングルショットなどがあります。
【プロポーション】
画面内の要素の大きさや比率のことで、対象物をどの程度大きく写すかを決めます。
【ラインやパターン】
画面内の線やパターンを活用して、視覚的な効果を生み出すことができます。
【色彩】
色の使い方や配色によって、画面の雰囲気や感情を表現することができます。
これらの要素を適切に組み合わせることで、映像の見せ方や伝えたいメッセージを効果的に表現することができます。
そこで参考に取り上げる作品は、トム・クルーズ主演映画「レジェンド/光と闇の伝説」です!ついに、永遠の推しを出してしまいました…
まず、作品についてご紹介。
森に住む若者ジャックとお転婆なお姫様リリー。ジャックはリリーにユニコーンを見せるため、森の中の秘密の場所に案内する。リリーは美しい2頭のユニコーンに魅せられ1頭に触れたことで呪いをかけられ、闇の魔王に連れ去られてしまう。そして、世界は闇と吹雪に閉ざされてしまう。
ジャックと森の不思議な妖精やこびとたちがリリーの救出と世界を取り戻すため冒険をするファンタジック・アドベンチャー!!
(こちらにトレーラーがありますので雰囲気だけでも感じ取っていただければと思います)
「Legend (1985)」Trailer
なんと、ファンタジー映画です!
監督は、「ブレードランナー」「エイリアン」「グラディエーター」を手掛ける映像派リドリー・スコット監督!こりゃ〜大作にちげぇねぇ!当時は大ヒットしたんでしょ?とお思いのみなさま!
そう!
とっても!
とっっっっても!
…眠くなる映画なんです……(´・ω・`)
でも!
若くてぴちぴちなトム・クルーズがたくさん観れます!!!
それだけでも高評価!(?)500億点満点です!他にも舞台美術や特殊メイクがめちゃくちゃ凝っていてそのあたりもすごくファンタジーとして素晴らしいんです。
そんなわけで、若かりし頃のトムクルーズの魅力が滲み出た画面構成を見ていきたいと思います。
ロングショット
人物からまわりの環境を含めた情報を伝えるために“引き”で撮る撮り方。物語序盤で世界観を視聴者に理解してもらう時に撮ることがあります。
レジェンドでも、開始10分あたりでジャックとリリーが森の中で戯れるシーンでロングショット撮影が使われています。

肩越しショット
キャラクター同士の距離が近い時に使われる撮り方。
上記からの流れで、ジャックとリリーがお花が咲いている場所に座りお互いを見つめて話し合うシーンで、ショット・リバースショットが使用されています。
「ショット・リバースショット」とは…
ショット・リバースショットは、映画やテレビ番組の撮影手法の一つで、同じシーンを異なる角度から撮影することを指します。通常は、1つのシーンを撮影する際に主要なカメラポジションから撮影を行った後、同じシーンを逆の角度から撮影します。これにより、視聴者に対してより詳細な情報や視点を提供し、シーンの雰囲気や情報を補完する効果が得られます。


クローズアップ(クロースアップ)
キャラクターの表情から感情・心情を語りたい時に使われる撮り方。
実際、困惑や戸惑い、謝罪、決意などのシーンでジャックの顔がアップになります。
※↓妄想フィルターが強く入っているため絵に誇張があります(たぶん泣いていない)

視線誘導
物語を進行させるために視線の動きを意図的に導く撮り方。
視線誘導には様々な手法がありますが、ここでは”トンネル構図”という、まわりが暗く出入り口だけが明るい集中効果のある使い方をしています。一部だけにスポットを当てることで自然と目がそちらに向かいます。
(↓ジャックが剣と鎧を探しに洞窟へ入るシーン)


人物位置
映像の世界では、大体の配置として
画面右側が「未来・強者・安心等」 画面左側が「過去・弱者・不安等」
として設定し作られることがあります。
理由はたくさんあるのですが、西洋では左から右に文字を読む習慣があり、そのため映像も左から右に進む方向が自然と感じられます。ですので、左から右へと進む撮影が主流となっています。
魔王と主人公が戦うシーンがありますが、最初はジャックが左でボスが右の配置になっています。弱者が強者に立ち向かうため左から右に向かう演出がされています。

ボスに怪我を負わせ立ち位置が逆転したため、ジャックが画面右の位置に。


ジャックに角で刺されたあと、強い風が魔王を奥へ追いやります。左右に壁があり後ろに引きづられないように手で必死に押さえていますが、この壁が集中線効果(放射線構図)を作り、自然と視線が奥へ行くようになります。

いかがでしたでしょうか?
一部の紹介でしたが、映像の基本のキを守って作っていることがわかります。
しかし、全体的にちょっと眠くなってしまうような映画ですが、こんなに映像に忠実に撮っていても映像を面白く作るのが大変なのがわかります…。
今回は「レジェンド」を取り上げましたが、どんな映画でも”良い画”は必ずあると思うので、いろんな作品を観て良いと思った画面構成を見つけて観てくださいね!
おまけ?
火を焚きながら雪の上で眠っているジャック。そこに小さな光がジャックに近づいてくるのですが…


!?ふともも…!!!!
なんでそんなローアングルかつ足元から撮ったのでしょう…とてもセクシーです!!!
そんな彼は一年後、戦闘機に乗ってハリウッドトップスターの仲間入りをするのでした。(そう、トップガンです)