ヴァンパイアはお好き? 〜原作と映画のあいだで〜
こんにちは、VANVANです!
さて、今回は…いや、今回も!トム・クルーズ出演の作品をご紹介します!
前回は、若かりしおトムを中心に画面構成についてお話ししましたが、
(前回のお話しはこちらからご覧いただけます)
今回は、”原作”と”映画”のお話がどのくらい変更されているのかについて書きたいと思います。
そこで映画の中でも大事な役割を持つ”脚色”について触れていきます。
”脚色”ってなーに?
まず、本題に行く前に脚色について。
脚本はよく聞くけど、脚色って?という方も多いかと思います。(以前は自分もふんわりとしか理解してませんでした) なのでここで、改めて脚色について記載したいと思います。
「脚色」とは
「脚色」は、原案や原作を基にして映画の脚本(シナリオ)を執筆するプロセスです。脚色家(脚本家)は、原作のストーリーやキャラクターを映画の形式に適応させ、映画にふさわしい形に再構成します。この過程では、原作からの変更や追加が行われることがあり、映画ならではの表現や演出が取り入れられます。
原作・原案をアレンジするのはかなり大変な作業ですよね。でも、文字の世界から読み取ったものを映像化する上で大事なのです。原作の持つ色を活かし、そこから外れないように映像として省く場所・増やす場所などを調整していく。多方面に気を遣う作業なので胃がキリキリしそうですね…
原作(小説)と映画を見比べてみよう
今回、取り上げる映画は1994年に公開された
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」です。
タイトルからは想像できないのですが、W主演なんです。
トム・クルーズともう一人がなんと、、、ブラッド・ピット!
あの二人が一緒の枠の中に入ってるなんて…!当時は超人気の二人が出てたら大興奮ですよね。
そしてトム・クルーズの美しさよ…!
↓に予告編があるのでぜひご覧ください。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」予告編
あらすじ
映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」は、ヴァンパイアのルイ(ブラッド・ピット)が現代のサンフランシスコでジャーナリストに自らの数世紀にわたるの人生を語る壮絶な不死の物語。18世紀のルイジアナ、家族を失い、生きる希望を見失ったルイの前に現れたのは、カリスマ的なヴァンパイア、レスタト(トム・クルーズ)。彼の誘惑により、ルイは不死の命を得るが、永遠の命は彼に新たな苦悩をもたらす。
ルイは、新たなヴァンパイアとしての生活に苦しむ中、ある日幼い少女クローディア(キルスティン・ダンスト)をヴァンパイアにしてしまう。クローディアは彼らの生活に鮮やかな彩りを加えるも、時が経つにつれて家族としての絆は複雑に絡まり、深い葛藤が生じる。二人は新たな冒険に身を投じ、そこには予測不能な試練が待ち受けている…。
キャラクター紹介
登場人物 | |
---|---|
レスタト | 金髪で青い目を持つカリスマ的なキャラクター(外見と性格は映画と原作ほぼ同じ) |
ルイ | ダークブラウンで青い目を持つ繊細で優美な男性(原作では黒髪で緑の目を持つ南部の紳士) |
クローディア | 11歳の少女(原作では5歳) |
ダニエル | 現代にてヴァンパイアにインタビューするジャーナリスト |
では、原作と脚色された映画の内容がどのくらい変わっているのかをみてみたいと思います。
物語の構成と視点
原作(小説) | 映画 |
---|---|
主にルイの視点で語られています。ルイが現代のサンフランシスコでジャーナリストに自分の生涯を語るという形式で進行します。 | ルイのインタビュー形式で進みます。 ルイが現代のインタビュアーに自分の過去を語る形でストーリーが展開されます。 |
【一言コメント】
映画は原作と同様にインタビュー形式で進行します。これはタイトルにもなっている重要な要素でありほぼ変更されていません。小説では、ルイへのインタビューを通じて当時の出来事が語られ、綿密な描写がされています(なんてたって500ページに及ぶお話)。一方、映画ではキャラクターの内面が見えづらくなるため、脚本と演出、そして役者の演技が重要な役割を果たしています。
プロットの変更と簡略化
原作(小説) | 映画 |
---|---|
小説には多くの複雑なプロットや詳細なエピソードが含まれています。レスタトの過去や他のヴァンパイアたちとの関係など、深い背景が描かれています。 | 映画では物語が簡略化され、主にルイとレスタト、クローディアの関係に焦点が当てられています。映画の尺に収めるため、一部のエピソードやキャラクターが省略されています。 |
【一言コメント】
なんてったって小説が500ページにも及ぶお話(大事なことなので2回言いました)なので、これを全部映像化するのは難しいですよね…。映画では、原作の持つ詩的で哲学的な深みを維持しつつ、映画ならではの美しいヴィジュアルを最大限に活かしています。複雑なプロットの一部を簡略化することで、観客に分かりやすい形に仕上げられており、原作ファンにも新たな魅力を提供しています。暗くミステリアスな世界観が見事に描かれ、ヴァンパイアの物語に新たな命を吹き込んでいるのです。
エンディング
原作(小説) | 映画 |
---|---|
ルイが現代のサンフランシスコでジャーナリストのダニエルに自分のヴァンパイアとしての長い人生を語り終えるところで締めくくられます。 | いくつかの追加シーンがあります。 ジャーナリストのダニエルがルイに襲われた後、さらにレスタトが現れるシーンが追加されています。レスタトがダニエルの前に現れ、彼をヴァンパイアにしようとするかのように描かれます。 |
【一言コメント】
映画版は原作に比べてよりドラマチックで視覚的な終わり方をしています。レスタトが再登場し、彼の魅力やカリスマ性が強調されることで、映画全体のトーンも変わっています。原作ファンにも新規視聴者にも満足感を与えるように工夫されているように見受けられます。
ヴィジュアルとトーン
原作(小説) | 映画 |
---|---|
小説は非常に詳細で、ヴィジュアル的な描写が豊富です。アン・ライスの文体は詩的であり、ヴァンパイアの心理や哲学に深く踏み込んでいます。 | 映画は視覚的な要素を強調し、美しいシーンや特殊効果を用いてヴァンパイアの世界を描いています。暗くゴシックな雰囲気を持ちつつも、ホラーとドラマのバランスを保っています。 |
【一言コメント】
小説は非常に詳細で、アン・ライスの文体は詩的でヴァンパイアの心理や哲学に深く踏み込んでいます。この豊かな描写が、読者にヴァンパイアの世界を鮮明にイメージさせています。本当にヴァンパイアが存在するかのように…
映画版では、その豊かなヴィジュアルをさらに強調しています。美しいシーンや特殊効果を駆使して、ヴァンパイアの魅惑的な世界を視覚的に表現しています。ヴァンパイアなので、暗くゴシックな雰囲気が漂い、ホラー要素とドラマ要素のバランスが絶妙です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
原作と映画を見比べると、いくつか変更点が見受けられます。文章と映像では表現方法が異なりますが、それぞれの特徴と良さがしっかりと表現され、どちらも魅力的な作品に仕上がっています。これは、原作が優れていることに加え、映画制作者が原作をリスペクトしているからこそ実現できたことだと思います。
それぞれの違いを見比べてみると色んな発見があると思うので、ぜひ原作と映画の違いを観て楽しんでみてください!
そういえばですね、実はアメリカでドラマ版が放映されているんです。それがこちら↓
すでにシーズン2に入っているので、もっと人気が出れば日本でも観れる機会があるかも…