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カチンコって何?役割や使い方についてご紹介!


みなさん、カチンコってご存知ですか?
映画やドラマのメイキング動画でよく見るアレです。見たことはあるとしても、何のために使うのか。そしてどのようにして使うのかご存知ない方も多いのではないでしょうか?
今回のブログではカチンコの役割や現場での使い方を中心にご紹介していきます。

はじめに、カチンコとは?

名称はそのままカチンコ。英語ではclapperboardと言うことから、ボールドと呼ぶこともあります。
カチンコは映画やドラマの現場でよく使用される撮影道具であり、助監督さんが打ちます。
助監督にはファースト、セカンド、サード(フォース)と序列があり、主にサードの助監督さんが
カチンコを打つ仕事を担っています。

基本的にはカメラが回った後、撮影するシーン、カット、テイクのナンバーをカチンコに記入し、カン!と打つことで撮影が開始/カットの合図となります。

カチンコには日本式とハリウッド式のものがあり、それぞれ特徴が異なります。

特徴

日本式:ボード部分に撮影を行うシーン、カット、テイク数の3つを記入して使用。持ちやすいように
小型に改良されており、片手で打つことが可能。

ハリウッド式:シーンやテイク数の他に作品名や日付、ディレクター/カメラマンの名前、
日中/夜のシーン、音あり/なしなど細かく記入する内容が多い。

※本ブログでは日本式のカチンコをもとにご説明しています。

カチンコの役割について

カチンコの役割は主に2つあります。

素材の同期

1つ目の役割は素材を同期をさせるためです。
例えば、レコーダー等で音声を映像とは別で録る場合や、複数のカメラで同時に撮影をする場合だと編集時にそれぞれの素材のタイミングをピッタリと合わせる必要があります。そういった各種素材の同期を行う際にカチンコがあると役立ちます。 カメラにカチンコを打つ画を撮影、レコーダーに打つ音を録音しておけば、打つ瞬間の画/音声波形が目印(開始点)となり、シンクロさせることが可能になるのです。
ちなみにフィルム時代の撮影では同時録音が不可能だったため、カチンコはなくてはならない存在でした。

素材管理に役立つ

カチンコは素材管理にも役立ちます。カチンコのボード部分にシーン、カット、テイク数を記入するため、スクリプト用紙(※撮影の順番やカットの内容、OK/NGテイク等を記録した資料のこと)とカチンコの内容を照らし合わせてどのシーンの素材なのか、OKテイクはどれか瞬時に確認することができるのです。

カチンコの使い方についてご説明!

ここからは実際にカチンコの使い方を詳しくご紹介します。

書き方/打ち方

まずは書き方です。

左から順にシーンナンバー、カットナンバー、テイクナンバーを書きます。例えば上記の画像だと2-2-1なので、シーン2のカット2、テイク1です。テイク1でOKならばそのカットの撮影は終わりますが、NGならばそのカットがOKになるまで撮り直す必要があり、2-2-2、2-2-3、2-2-4…とテイク数をカウントアップさせていきます。

次に打ち方についてです。

打ち方としては片手もしくは両手で拍子木部分(上部)の端を持ち、カン!と打ちます。カメラが回った直後に1回打ち、カメラを止める直前に2回打ちます。
撮影中は誤って打たないように(音が入らないように)人差し指を拍子木の間に挟んでおきます。

打つタイミング

次にカチンコを打つタイミングです。
一般的な例をご紹介します。

動きのテストを終え、撮影の準備が整うと助監督さんが「本番!」と言います。撮影部さん、録音部さんがrecを始め「回りました」と言うと助監督さんがカチンコをカメラ内に入れ、「シーン1の2、テイク2!」などの記入内容を声に出し、監督さんの「よーいスタート!」の声の後に、カチンコを1回打って撮影開始です。
監督さんが「カット!」と声を出し、助監督さんが2回カチンコを打つと、そのテイクの撮影終了の合図となります。

カチンコを打つ時の注意点

最後にカチンコを打つ時の注意点をいくつかご紹介します。

カチンコはカメラ内にしっかり入れる

編集時にカチンコの記入内容が見えなければ、それが何の素材なのか判別が難しくなります。そのため、カメラにカチンコを入れる前にカメラマンさんがどこを狙っているのかモニター等で確認し、カメラの中心に、そしてピンボケしないようカチンコを入れる必要があります。

カチンコを入れられない場合

基本的にはカメラが回った直後にカチンコを入れますが、狭い場所での撮影など何かしらの理由でカチンコを始めに入れられない場面もあります。その際はカメラを止める直前にカチンコをカメラに入れて打ちます。これを尻ボールドといいます。
打つ時は尻ボールドと判別できるように、上下を逆さにしてカチンコを打ちます。

その他にも…

キャストさんの顔の前で打つ場合
キャストさんの顔の前でカチンコを打つ際も注意が必要です。「お顔の前、失礼します」と一声かけてからカチンコを入れます。勢いよく打つとびっくりされるので、優しく打ちましょう。

カチンコを打った後の行動
打ったあとはカメラに映らない所へ速やかに移動する必要があるため、どこへ捌ければいいのか事前に考えておく必要があります。

最後に

いかがでしたか?役割や使い方についてはあまり知られていないカチンコ。
本ブログで皆さんの知見が少しでも深まれば幸いです。
余談ですが、 少し前にドラマ撮影の案件でお世話になっている助監督さんから「試しに打ってみよっか」とカチンコを打つ機会をいただいたのですが、テイクナンバーが映せていなかったり、カメラの中にカチンコを入れるのが本当に難しかったです…。
助監督さんはサッと正確にカチンコをカメラに収められていて、自分はまだまだだな..と感じました。
もっと精進します!

次回のブログもお楽しみに!

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